完全自由診療・紹介制歯科の田山歯科医院

なぜ自由診療?

田山歯科医院ではなぜ、健康保険の取り扱いがないのか、少し長くなりますがご説明いたします。

そのためには先ず、私共が行なっている「自由診療」と、保険を扱う普通の歯科医院で勧められる「自費診療」の違いをご理解いただかなければなりません。「自由」診療と「自費」診療、文字は一字違いですが、意味は全く異なります。歯科医師でさえ、ちゃんと理解している先生は少ないのです。

◆ 自費診療とは

保険証の提示がもとめられる歯科医院では、歯科医師は、厚労省が定める「保険医療機関及び保険医療用担当規則」という法律を、厳密に遵守せねばなりません。そこには保険制度の体系や、考え方、制限、決まり事など数々のルールが定められており、守らない歯科医師には罰則があります。それらのルールは、必ずしも患者さんのため、より良い治療のために定めたものではないので、理想的な医療を提供しようとする歯科医師には、非常に邪魔になる法律なのです。歯科医学的に正しく、エビデンスにもとずいて、患者さんに一番良い治療法を選択し、患者さんごとに異なる生活習慣などの状況を考慮して治療を選択する「自由」は、残念ながら保険の法律にはないのです。

保険制度の枠組みの中で勧められる「自費」診療は、保険では使えない「材料」による治療をおこなう場合、患者さん「自」らに材料の「費」用を負担していただくのが「自費」診療です。つまり保険診療の費用を患者さんが負担するのが「自費診療」です。しかし「保険」と「自費」を併用して治療を行うことは「混合診療」といわれ、じつは法律では原則的に禁じられています。

治療は物販ではありません。インプラントやセラミックのクラウン、入れ歯などの「モノの売買」とは違います。しかし治療の説明の際には、どこの歯科医院でもセラミックだから、白い歯だから、インプラントだから「自費」で幾らになります、と説明されます。まるで物販のようですね。何故でしょうか?

保険診療をおこなう歯科医師は、患者さんのお口を覗いた瞬間、自動的に保険の請求パターンを連想するよう習慣化されています。請求パターンとは治療ごとに定められた点数のことで、保険の点数=診療報酬であり「疾病=点数=報酬」という思考です。なので「自費」の場合も同様に、保険点数が患者さんのお支払いに替わっただけで、保険診療の思考のままに、おのずと患者さんに「歯を売る」ような説明になってしまうのです。保険診療をおこなう歯科医師の思考回路は、保険制度の影響で「物売り発想」になるのはそういうわけです。

さらに致命的なのは、保険による診療報酬がきわめて低く(アメリカの十分の一、アジアの四から五分の一程度)世界最低レベルなので、経営のためには必然的にコスト(技術、時間、品質、材料など)を削る必要があり、時間をかけずに多くの人数を診るしかないのです(一説には十五分に一人診ないと赤字と言われています)。勉強して技術を磨き、経験を積んで、最新の治療機器を使って、丁寧に時間をかけた治療をすればするほど赤字になってしまいます。

また驚くことに、スーパードクターが治療をしても、卒業直後の研修医が治療しても、丁寧に治療しても、適当に治療しても、病名が同じであれば支払われる報酬は同じ金額なのが保険制度です。少しでも良い治療を心がけたい、勉強熱心で良心的な歯科医師ほど、このような状況を正直に患者さんにお伝えできずに悩んでいます。歯科医療の保険制度が不適切なせいで、患者さんのために良心に従って治療することが出来ないからです。

そのような保険での赤字は「自費」で補うしかありません。白い歯、セラミック製の歯、インプラントなど「自費」と言われる治療が推奨される所以です。患者さんに自費診療を選んでもらえば、多少時間をかけて少しでも良い治療が提供できるという歯科医師の良心もありますが、同時に保険診療での赤字を補填するの経営上の理由でもあります。

◆ 自由診療とは

一方で、自由診療の「自由」とは歯科医師の「自由裁量権」の「自由」という意味です。自由裁量権とは、簡単にいえば患者さんのためになることを第一に考えて、歯科医師の裁量で行なって良いという法律です。保険証をお預かりしなければ、保険制度の法律を遵守する必要はありません。「自由裁量権」により、純粋に患者さんのためだけを考えて、医学的なエビデンスにもとづき、最良と考えられる治療を行うことが出来ます。また精密検査を行い、時間をかけて原因を追求し、正確な診断にもとづいた、お一人お一人に合わせたオーダメードの治療を、歯科医師自らが納得できるように、十分に時間をかけて拓越した技術で提供することができるのです。

患者さんの生活習慣や症状は、お一人お一人ことなります。目の前の患者さんに合わせて、治療目標も方法も、材料も順序も、すべてを患者さん本位に考え、歯科医師と患者さんとが相談して決定することができます。「自由診療」では歯科医師の診断能力や治療技術ばかりかコミニュケーション能力も極めて高いのはもちろんですが、一番の違いは診療体系そのものが、患者さんのために最善を尽くして健康を目指すために構築された医療になっていることです。ですから保険診療の「自費」とは全く異なる医療と言っても過言ではありません。

田山歯科医院の診療哲学は

「自分がして欲しいことを
患者さんにする」
ことです。

私は自分が、保険の医療を受けたいとは思えません。ですから自らが受けたいと思える医療を、診るすべての方にご提供するためには「自由診療」しかなく、そのため保険証をお預かりすることは法律的に許されないのです。田山歯科医院で健康保険の取り扱いをしないのは、そういう理由からです。

◆ 「自由診療」の起源は

このような理想的な歯科医療である自由診療の起源は、1900年代の初頭アメリカの歯科医師 Dr. Pankey が提唱したパンキーフィロソフィー(歯科診療哲学)が始まりです。パンキーフィロソフィーは、世界中の良心的な歯科医により地域や時代を超えて伝承されています。その真髄は、目の前にいらっしゃる患者さんを、自らのことと同様に考えて最善を尽くして診る「自分がしてもらいたいことを、他の人にしてあげなさい」という教えです。それを言葉どおり誠実に行うためには、もうおわかりのとおり自由診療でなければ不可能なのです。ここまでお読みいただいた方には、よくご理解いただけると思います。

田山歯科医院がご提供している自由診療は、この Dr. Pankey が唱えた歯科診療哲学にもとづいた歯科診療です。

現在でもアメリカのフロリダ州マイアミにあるThe Pankey Institute では、世界中から集まる歯科医師に向けて、自由診療を教えています。
私は Dr. Pankey の直弟子にあたる Dr. Lockard に習い、開業以来その教えを日々実践するとともに、Exceptional Dentistry Institute (EXDI エクセプショナル デンティストリー研究会)というスタディーグループを創立し、日本の歯科医師の先生方に自らの経験を伝承する活動を行っております。

ご興味のある方は、Exceptional Dentistry Institute(EXDI エクセプショナル デンティストリー研究会)のホームページをご覧ください。
また田山歯科医院へ初めてご来院の方は、是非とも以上のような私共の診療哲学をご理解いただくようお願い申しげます。

Dr. Pankey の直弟子 Dr. Lockard に習う院長の田山